ADHDとは
ADHDとは、Attention Deficit/Hyperactivity Disorderを略したもので、注意欠陥多動性障害と呼ばれる発達障害の一種です。
アメリカ精神医学会の定めた「精神障害の診断と統計の手引き」では、行動障害に分類されています。ADHDの子供(かすがいなんてよくいいますが、いても離婚する夫婦も多いものです)は、年齢相応しいくらいの落ち着きがなく、注意を集中していることが出来ません。何かを思いついたら衝動的に行動してしまうので、おとなしくしていなければならない状況で、急に立ち上がってうろうろしたりしてしまいます。
ADHDの原因は、脳の中枢神経系の機能不全と考えられているものの、まだ分かっていないことも多い病気です。遺伝的な要因も指摘されており、親のしつけや育て方は関係ないでしょう。6歳〜15歳の子供の3〜7%がADHDといわれていますから、それほど珍しい病気ではないのです。症状に個人差があって、成長していくに従って治まっていくこともありますが、30%くらいは大人になってからも症状が残ってしまうことがあるでしょう。
大人になって、ADHDだと診断されることもあるようです。気を長く持って心理社会的治療を行っていくことで、症状(その程度やどんなものがというと、人によって個人差があるでしょう)をコントロールできるようになるといわれています。薬物療法で症状を抑えながら、社会生活への適応努力をするというのが現在の主な治療法です。ADHDの子供は上手く社会に適応できれば、人並み以上の知性や芸術性、創造性などを発揮することもあります。しかし、周囲の理解と適切なサポートが得られなければ、引きこもりになったり、他の精神疾患を併発する事もあるでしょう。